潜伏期間ナビ

潜伏期間ナビ♪ではヘルパンギーナの症状の特徴・感染原因・大人が感染したケースの注意点・治療期間の目安について入門者向きにわかりやすく解説しております。

◆ヘルパンギーナの潜伏期間ナビ♪(もくじ)

◆夏かぜの代表疾患ヘルパンギーナとは?

 ヘルパンギーナとは、主に乳幼児や子供を対象として発症しやすいウイルス感染症で俗にいう「夏かぜ」と呼ばれる疾患です。

 季節・時期的な特徴としては毎年6月下旬あたりから8月中にかけて流行する特徴を持ちます。

 ヘルパンギーナを発症すると、突然非常に高い高熱を発症するケースも多くあります。

 夏場になって突然前触れもなく高熱を発症するようなケースではヘルパンギーナを発症している可能性も検討する必要があるでしょう。

 症状としては、口内に水泡や水ぶくれ、口蓋垂(のどちんこの事です)に炎症症状が確認されるようになり食べ物を摂取する際に喉に強い痛みを伴うケースが大半です。

◆ヘルパンギーナの原因ウイルスを知ろう

 ヘルパンギーナは前術した通りウイルスを感染源とするウイルス感染症です。

 感染原因となる原因ウイルスは、「エンテロウイルス」と呼ばれるウイルス群に属するウイルスです。

 尚、ヘルパンギーナはエンテロウイルス群の中でも主に「コクサッキーウイルス」が原因となって発症します。
(※ヘルパンギーナの発症原因となるエンテロウイルスは幾つも確認されておりコクサッキーウイルスだけとは限りません)

【主なエンテロウイルス群】
☆コクサッキーウイルス(A群)
☆コクサッキーウイルス(B群)
☆エコーウイルス
☆エンテロウイルス(68型〜72型)

 ヘルパンギーナの原因であるコクサッキーウイルスとは、ピコルナウイルス科エンテロウイルス属に含まれるウイルスでRNA遺伝子情報を持つウイルスの一種です。

 コクサッキーウイルスはA群(CA)・B群(CB)に分類されますが、ヘルパンギーナや同様の夏風邪症状をもたらす手足口病などの原因ウイルスは主にA型コクサッキーウイルスです。

 ヘルパンギーナはこのようにウイルスを感染源とするウイルス感染症ですから2次感染に対しても注意が必要です。

※ヘルパンギーナの原因ウイルスとは?
☆コクサッキーウイルスの感染が主な原因です

◆代表的な症状の特徴は口内炎や水泡

 ヘルパンギーナの代表的な症状は口腔内を中心に水泡や強い炎症を発症する点です。

 この症状は前述したヘルパンギーナの原因となるコクサッキーウイルスなどのエンテロウイルス群が口腔内の喉や腸管内で増殖する特徴を持つためです。
※エンテロウイルスのエンテロとは腸管の意味です

 ではここで、ヘルパンギーナの主な症状について確認しておきましょう。

【ヘルパンギーナの主な症状一覧】
☆発熱(38度以上、時には39度〜40度近い高熱を発症するケースも)
☆口内の口内炎・水泡や水泡が破れた後のただれ
☆喉・口蓋垂の炎症症状
☆高熱による倦怠感・関節の痛み
☆稀に急激な発熱に伴う熱性痙攣

 以上はヘルパンギーナを発症した際に確認されている主な症状の一覧です。

 特に「急激な高熱」「口内炎や水泡」そして「咽や口蓋垂の炎症症状」はヘルパンギーナの代表的な3つの症状であると言えます。

ヘルパンギーナ3大症状の特徴(図)

 熱は比較的、高熱を発症する傾向にある点に関してはしっかりと把握しておく必要があります。

 ヘルパンギーナの独特の症状とも言える口内に発生する水泡は、口腔内の上あご部分や咽頭部周辺に多く発症する傾向がある点も症状のポイントと言えます。

 尚、水泡はひとつだけとは限らず多数発生するケースも多く水泡の直径は2ミリ〜4ミリ程度の大きさであるのも特徴の一つで、小さい水泡ではありますがお母さんが目視で十分確認できるサイズです。

※子供にヘルパンギーナの可能性が検討される場合は口腔内を確認してみると水泡や口内炎などの独特の症状を確認できるケースもあります。しかし接触感染・飛沫感染を感染経路とするウイルスでもある為、直接手で触れたりマスクをせずに覗き込むことは極力避けましょう。

◆大人が2次感染した場合の症状はやや重い

 ヘルパンギーナはウイルス性感染症ですから、家族内に症状を発症した方がいる場合は既に家族内でウイルス感染を起こしている可能性は十分考えられます。

 大人がヘルパンギーナに感染するケースでは、子供からの2次感染によるケースも多くウイルス種も複数存在することから、何度もヘルパンギーナを発症する可能性がある事を覚えておく必要があります。

 大人は免疫力も体力も子供と比較すると強い傾向にありますが、大人が感染した場合は39度を超える高熱などやや重い症状が続く事もあります。

 ヘルパンギーナは数日で回復する病気ですが症状がピークの状態の時には強い倦怠感や関節の痛みなども伴う為、大人の発症のケースでは高熱が発症している数日間は仕事なども控えたほうが良いでしょう。

 尚、家族内に発症者が既にいる場合で、自分も既に2次感染している場合であっても全ての感染者に同様の症状が出るとは限りません。

 大人が症状を発症する多くのケースは免疫力が低下しているいわゆる体調不良状態の時に感染してしまった場合です。

 ですから仮に子供が幼稚園や学校などでウイルスをもらってきてしまったとしても体調管理をしっかりと整え、症状を発症させない自己管理が大切となります。

◆ヘルパンギーナの潜伏期間・二次感染期間

 ヘルパンギーナの発症原因であるエンテロウイルスの潜伏期間は、一般的に2日〜5日程度です。(長くても1週間程度)

 潜伏期間とはウイルスが体内に侵入してから前述したヘルパンギーナの症状を発症するまでの期間のことです。

ヘルパンギーナ潜伏期間・二次感染期間(図)

 上図Aの潜伏期間内に感染がわかるような自覚症状はほとんどない為、家族内で感染の有無を確認することは難しく発症後に感染がわかるケースがほとんどです。

 尚、エンテロウイルスはBの症状の発症期間を過ぎ症状が収まってきたCの回復期に入っても2週間〜3週間以上の長期に渡り便からウイルスが検出されるケースが多いことも確認されております。

 症状が治まり見た目は元気な状態になったとしても糞口感染(便に触れた手から体内に侵入する感染)による感染の可能性がなくなったわけではないのですね。

 乳幼児がいらっしゃるご家庭では、免疫力が低下しているような体調を崩している場合はおむつ交換の際にお父さん・お母さんともに使い捨ての手袋を使うなどして2次感染の予防対策を行う必要があります。

◆ヘルパンギーナの治療のポイント

 最後にヘルパンギーナの治療法について見ていきましょう。

 ヘルパンギーナはエンテロウイルス群によるウイルス感染症ですが、現在のところ予防となる抗ウイルス剤やワクチンはありません。

 その為、予防接種などが行われることはありません。

 ですからヘルパンギーナの治療に関しては症状に対する治療を行う対症療法が基本となります。
※対症療法=症状に合わせて治療を行うこと

 ヘルパンギーナの治療の基本は、高熱を発症しやすい事からまずは安静に過ごすこと。

 そして、高熱に伴う脱水症状を防止するために水分補給をしっかり行うことが大切です。

 ヘルパンギーナでは口腔内に多数の口内炎や咽頭部の炎症を発症する為、酸味のある果物ジュースなどは痛みが強く子供が嫌がる事も多いでしょう。

 このような場合はイオン飲料の摂取や、湯さましなど刺激の弱い水分補給を心がけるようにしましょう。

 尚、口内に発生する水泡に関しては通常2〜3日ほどで表面がやぶれてただれてきますが1週間程度で口内の皮膚も回復してきます。

 発熱に関しては、2〜3日程度で徐々に熱が下がりますが、熱が長期間にわたって下がらないケースでは髄膜炎等の合併症を発症している可能性もある為、必ず病院の診察を受けることが大切です。