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【インフルエンザA型3大症状・潜伏期間】

潜伏期間ナビ♪ではインフルエンザA型の3大症状・ウイルスの増殖速度、潜伏期間と感染期間について入門者向きにわかりやすく解説しております。

◆インフルエンザA型3大症状・潜伏期間の解説♪(もくじ)

◆インフルエンザA型ウイルスとは?

インフルエンザA型は、インフルエンザの種類の中でも「最も流行性の高い」インフルエンザウイルスです。

インフルエンザウイルスは、「A型・B型・C型」の3種類のインフルエンザウイルスに分類されます。

世界規模の大流行の場合はA型であるケースが大半です。

大流行するのはA型インフルエンザ

これはA型の細胞表面抗原のパターンが多いことがひとつの要因です。

また他のウイルス感染症と比較すると、爆発的なウイルス増殖速度を誇る点も見逃せないポイントです。

B型は流行性がやや高いウイルスという特徴がありますがA型ほどではありません。

C型はあまり耳にする事がないかもしれませんが、流行性が低いものの小さい子供が感染するケースがあり呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。

※A型は3種類の中で最も流行性の高いインフルエンザである

◆流行の原因は2種類の表面抗原たんぱく質

3種類のインフルエンザウイルスの中でもA型は最も流行しやすいウイルス感染症であることがわかりました。

しかし、なぜA型が最も広まりやすい性質をもっているのでしょうか?

この流行しやすい原因としては「細胞表面抗原」の種類の問題があります。

A型ウイルスの最大の特徴は、表面抗原が実に多彩である点です。

A型ウイルスは

☆ヘマグルチニン(H)
☆ノイラミニダーゼ(N)

と呼ばれる2つの表面抗原と呼ばれるたんぱく質組織を持っております。

ウイルス表面抗原の種類

ヘマグルチニンの表面抗原の種類は15種類。(H1~H15)

ノイラミニダーゼは9種類(N1~N9)が確認されております。

ノイラミニダーゼは体内でウイルスを増殖させる働きをもつ糖蛋白質です。

後述する抗インフルエンザ薬として有名なタミフル・リレンザはこのノイラミニダーゼの活動を抑制させる働きをもつことからノイラミニダーゼ阻害薬に分類されております。

タミフルは度々その副作用問題が話題になることがあるので一度は耳にしたことがあると思います。

この2種類のたんぱく質組織である表面抗原の組み合わせが多数になるため、新型のウイルスに対応できるワクチンや免疫をまだ保持していない段階で感染する可能性がある点が流行しやすい原因のひとつであることは間違いありません。

※A型の特徴=2つの表面抗原をもつ(ヘマグルチニンとノイラミニダーゼ)

◆インフルエンザの歴史の中で過去に大流行した種類とは?

インフルエンザが世界的に大流行した過去の歴史をチェックしてみましょう。

表面抗原の組み合わせはヘマグルチニンが15種類でしたね。ヘマグルチニンの表記はHです。

そしてもうひとつのノイラミニダーゼは9種類。ノイラミニダーゼの表記はNです。

ヘマグルチニンの1型とノイラミニダーゼ2型の場合はH1N2型となりますのでここで覚えておきましょう。

~過去に大流行したインフルエンザの型~
☆香港かぜ(1968年~) ⇒ H3N2型
☆アジアかぜ(1957年~) ⇒ H2N2型
☆スペインかぜ(1918年~) ⇒ H1N1型
☆ソ連型(1977年~) ⇒ H1N1型

となっております。

幾つかは一度は耳にしたことがある名前かもしれません。

尚、2009年に流行した豚インフルエンザはソ連型と同様のH1N1型の変異型です。

インフルエンザ流行の歴史

これらの流行性感染症の型を見てみると、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼの組み合わせが異なっているケースがある点が確認できますね。

ざっと計算するとこの2種類の組み合わせは、実に135種類に及びます。

現在、人間が感染したインフルエンザウイルスはまだ数種類です。

今後新しい型のインフルエンザA型ウイルスが流行する可能性は十分にあるのですね。

~ここまでのポイントのまとめ~
★A型は3種類の中で最も流行性の高いインフルエンザである
★A型はヘマグルチニンとノイラミニダーゼ2つの表面抗原をもつ
★世界規模で大流行したインフルエンザもまだまだごく一部
★単純にA型は135種類の型が産まれる可能性を持っている

◆ヘマグルチニン(HA)とは?

ヘマグルチニン(hemagglutinin)とは、ウイルスの核を包み込むように覆っている糖たんぱく質のことです。

ヘマグルチニンはインフルエンザウイルスだけでなく、様々なウイルスや細菌の表面を覆っている表面抗原であり、15種類の抗原体が存在します。

ヘマグルチニン(HA)とは?

血液中に入り込んでいる抗原に対抗する能力を保持している抗体を免疫と呼びます。

この免疫を獲得する為に、流行前の段階で毒性が微弱化された抗原を血液中に注入する注射がワクチン注射となります。

頭文字からHa抗原とも呼ばれ、血液検査によって様々なウイルス感染症の感染履歴を確認する際の指標として用いられております。

A型の感染の確認の際にHa抗原が血液中に存在している場合は、インフルエンザA型ウイルスに現在感染している事を示します。

もちろんB型もC型も同様です。

定性が陰性の場合は既に免疫を獲得したか、まだ一度も感染履歴がないことを示します。

血液検査においてHa抗原は有能な指標でもあるのですね。

~ポイントのまとめ~
★ヘマグルチニンはウイルスを覆う糖たんぱく質
★血液検査の重要な指標でもある
★抗原に対抗するのが免疫である抗体

◆A型インフルエンザの症状の特徴(代表的な3大症状)

A型インフルエンザの症状の特徴について見ていきましょう。

A型インフルエンザの症状は、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼの組み合わせによっても症状が異なります。

最高で135種類にも及ぶ可能性を持つため、その全ての症状はまだまだ解明されておりませんが、ここでは基本的なA型インフルエンザの症状の特徴をチェックしてみましょう。

~インフルエンザA型の主な症状~
☆発熱(38度~40度近い熱が出ます)
☆さむけ・悪寒
☆ふるえ症状
☆頭痛
☆めまい
☆全身の強い倦怠感
☆強度の関節痛
☆筋肉痛・筋肉の熱感
☆腰痛
☆上気道炎

以上の症状は風邪の症状と類似しておりますがインフルエンザに感染した場合に発症する主な症状の一覧です。

代表的なインフルエンザ症状としては以下の3つの症状を覚えておくと良いでしょう。

インフルエンザA型3大症状(図)

図の①の発熱はほぼ感染後数日で誰にでも現れ、38度を超え時には40度近い高熱が確認される点もインフルエンザのひとつの特徴です。

この高熱を発症する特徴があることからも②の寒気や悪寒が初期段階で強く感じられるようになります。

また発熱を発症後には③の強い関節痛や筋肉痛が襲ってくるケースが大半です。

特に成人の場合はウイルスの活動を抑制するために免疫システムが激しく戦いをおこすため炎症が強く発生し筋肉痛や関節痛の痛みもかなり強くなる傾向にあります。

症状が重い場合は、発熱によって脱水症状も進み一時的に歩行が困難になるほど衰弱する場合もあるほどです。

高熱が出る場合は「解熱鎮痛剤」が処方されますが、あまりにも関節炎などの症状が重い場合はステロイド系の抗炎症薬が処方されるケースもあります。

【主な症状の特徴】
★比較的高温の発熱の確認
★悪寒や寒気を自覚症状として体感する
★成人の場合は関節痛や筋肉痛が特にきつく感じる

◆関節痛と筋肉痛症状が強い場合の対処法

インフルエンザは普段の風邪と近い症状を発症する為、病院で診察などを受けない限りなかなか初期段階で発見できることはありません。

その為、初期段階では診断基準を元に地域の流行情報などを組み合わせるなど予測と基本的な知識の把握が必要です。

一般的な風邪症状とインフルエンザ症状の大きな違いは、発熱が突然発症し急激に熱が上がる点。

そして悪寒やふるえが見られる点などがあげられます。

症状の特徴でも解説しましたが、これらの症状はインフルエンザ感染症は急激な発熱が伴う特徴を持つ点がポイントです。

また、関節痛や筋肉痛症状も強く、痛みが強く感じられます。

これらの関節の炎症や痛みはウイルスと免疫が体内で戦闘を繰り広げている事が要因です。

体の中の守護神とも言える免疫部隊は体内にウイルスや細菌などの異物が進入してくると、その異物を退治するために戦いを開始します。

この火花が散るような戦いが発生している部位が主に痛みを感じる部分ということですね。

解熱鎮痛剤の処方

病院では、関節痛などがあまりにも激しい場合は、痛み止めの解熱鎮痛剤入りの飲み薬や抗炎症作用をもつステロイド剤が投与されるケースもあります。

これらのお薬を使用して症状の緩和を図ることで痛みはだいぶ楽になります。

症状が強く出ている段階では潜伏期間を終え治り始めている段階です。

尚、38度以上が続き、解熱鎮痛剤などが効かないような場合は、病院で点滴などを受ける必要があります。

★解熱鎮痛剤で症状の緩和を図る
★長時間継続した高熱が続く場合は病院の診察を受けること

◆インフルエンザ脳症を発症する原因とは?

インフルエンザA型の自覚症状は、インフルエンザ3種類の中でも最も重く体感的に「きつい」と感じる症状を表す傾向にあります。

また、小児の場合はウイルスによって「インフルエンザ脳症」と呼ばれる重症の疾患に至るケースも確認されております。

インフルエンザ脳症(※インフルエンザ脳炎も同意)は急激な発熱などによって脳の血管が傷を受けることが原因であることが確認されております。

症状としては「意識障害」「神経障害」など脳の働きに支障をきたす症状を発症する疾患です。

インフルエンザ脳症とは?

発症パターンが一定出ない点。

男女差などの傾向もなく、未だ詳しい発症原因が解明されておらず、乳幼児に多く発症するという特徴だけがわかっている疾患として有名です。

インフルエンザA型は、流行性が非常に高く一度感染が流行すると世界規模での感染につながるケースも多くあります。

しかもワクチンなどの免疫の持続性も約半年程度と短い為、毎年ワクチンの接種などを行う必要があります。

しかし、僅かではありますがインフルエンザ脳症などに進展する可能性がある点を踏まえると、やはりワクチンの予防接種は有効な予防と言えそうです。

予防接種ではインフルエンザが流行する時期に差し掛かる前のタイミングで予防接種を受けることが大切です。

★インフルエンザ脳症は意識障害や神経障害などの症状を発症する脳の血管壁の損傷を伴う疾患
★発症原因は解明されていない
★乳幼児に多く発症する傾向が確認されている

◆A型・B型・C型ウイルスの自然宿主

インフルエンザA型ウイルスは、我々「ヒト」以外にも多くの自然宿主を持っております。

自然宿主とは、文字通りウイルスの宿主のこと。

ウイルスはこの宿となる主がいなくては生命を維持することができません。

具体的には体内でウイルスを増殖する能力をもっており

☆ウイルスの増殖
☆ウイルス抗原の変化

をもたらす可能性を持っている生物が自然宿主となります。

自然宿主とは?

インフルエンザA型は3種類のインフルエンザの中でも最も多くの自然宿主をもつウイルスです。

尚、現在の段階において、インフルエンザB型に関してはヒト以外の自然宿主は確認されておりません。

但し将来的にはヒト以外の自然宿主が見つかる可能性もあります。

C型の自然宿主はヒトと豚のみです。

A型に関しても同様で既に幾つかの動物で自然宿主が確認されておりますが、この数が増えてくることも当然想定されます。

各種インフルエンザの自然宿主は以下の通りです。

☆インフルエンザA型 ⇒ ヒト・トリ・ブタ・ウマ・クジラ・アザラシ・ミンク
☆インフルエンザB型 ⇒ ヒト
☆インフルエンザC型 ⇒ ヒト・ブタ

◆インフルエンザの潜伏期間・感染期間について

インフルエンザの潜伏期間は、一般的に1日~2日程度と言われております。

潜伏期間とは、ウイルスが体内に侵入してからインフルエンザの症状を発症するまでの期間のことです。

この1日から2日程度(長くても3日以内)という潜伏期間は、他のウイルス性疾患と比較すると驚異的に短い潜伏期間であることが確認できます。

インフルエンザA型潜伏期間・二次感染期間(図)

ウイルス感染症の多くは潜伏期間として1週間~10日程度の期間があるのが普通である為です。

同じウイルス性疾患であっても、とても有名なHIVウイルスなどは潜伏期間が数年から数十年単位です。

インフルエンザウイルスの潜伏期間がここまで短期間である原因は、ウイルスの増殖スピードが大きく関係しております。(増殖速度については次項参照)

尚、このウイルスが増殖を続ける上記図②の潜伏期間中はまだ症状を発症しておりませんが、感染能力は既に保持している状態です。

ですから本人がインフルエンザに感染している事に気がついていない段階であっても他人へウイルスを移してしまっている感染源となっている事が大半です。

自分の身近な家族や友達がインフルエンザに感染している場合は、予防だけではなく、自分自身が感染元とならないようにマスクなどを使用し飛沫感染による拡大を防止することも重要です。

~ポイントのまとめ~
★インフルエンザの潜伏期間は1日~2日程度
★潜伏期間中であっても感染能力を持っている
★感染源とならないことも重要な考え方

◆インフルエンザウイルスの増殖速度・メカニズム

インフルエンザの潜伏期間が短い理由は、その圧倒的なまでのウイルス増殖のスピードが要因にあります。

仮に1個のA型インフルエンザウイルスが体内に侵入したとしましょう。

この体内に侵入したわずか1個のA型インフルエンザウイルスは、約8時間後には「100個」にまで増殖していると言われております。

さらに8時間(感染から16時間後)が経過すると、そのウイルスはねずみ算式に増殖し「1万個」にまで増殖します。

更に8時間を経過(感染から24時間後)すると、インフルエンザウイルスは実に「100万個」にまで増殖しております。

インフルエンザウイルスの増殖速度

この圧倒的なまでの増殖スピードが短期間で症状を発症し、かつ大流行につながる要因でもあるのです。

通常、ウイルスが体内で100万個以上になると、自覚症状として「さむけ・悪寒」などのインフルエンザ独特の症状を発症するようになります。

続いて急激に体温が上昇し「38度を超える発熱」を発症するようになります。

症状を発症するまでの期間がここまで短いウイルス感染症はそれほどありません。

~ポイントのまとめ~
★わずか1個のウイルスが8時間後には100個にまで増殖する
★感染後24時間でウイルスは100万個を越えるまで増殖する
★100万個を超えたあたりで独特の症状が現れ始める

◆インフルエンザと診断される場合の診断基準4項目

インフルエンザの診断基準について見ていきましょう。

ここでは病院や小児科で一般的に指標とされている診断基準をチェックしてみます。

尚、日本におけるインフルエンザの診断基準はインフルエンザが流行すると予想される11月~3月の冬季における診断基準が設けられております。

この冬季におけるインフルエンザの診断基準は以下の4点です。

【インフルエンザの診断基準】
①突然性の発症・急激な症状の悪化が見られること
②38度を超える発熱であること
③上気道炎症状が見られること
④全身倦怠感などの全身的な症状が確認されること

以上4点がインフルエンザの診断基準となっております。

冬場に風邪に近い症状が現れ、地域的にもちらほらとインフルエンザの流行の兆しがみられるような場合は、インフルエンザを疑うことも重要です。

学校や保育園など既に流行情報が流れている。

もしくは学級閉鎖などが進んでいるような場合は、ある程度上記の診断基準を元にインフルエンザと診断されるケースが多いでしょう。

また診断が難しい場合は「咽頭粘膜擦過」によるウイルス検査を行い定性をチェックするケースもあります。

~ポイントのまとめ~
★目安となる診断基準は4つ
★冬場はまずインフルエンザを疑う
★咽頭粘膜擦過によるウイルス検査も有効

◆職場へ復帰する目安としてウイルス感染から復帰までの感染期間は何日くらい?

職場に限らず幼稚園でも小学校でもどの程度の期間で現場に復帰できるのかの目安となる感染期間について見ていきましょう。

インフルエンザに感染した直後にいきなり独特の症状が現れることはありません。

これはウイルスが体内に侵入してからウイルスを増殖し症状を発症するまでの潜伏期間があるためです。

この潜伏期間にウイルスは増殖を続け、個数が一定量まで増加すると自覚症状として体感できる症状を発症し始めるようになります。

A型ウイルスの場合は流行性が高く感染も急激に進み、一人の感染者がいる場合は既に多くの人が感染し潜伏期間に入っているケースが大半です。

またB型ウイルスの場合は過去のウイルスの歴史から見ると主に消化器系・気管支系の疾患を伴いやすい傾向にあります。

感染期間は10日程度

症状を発症後ウイルスが体内で活動する期間は約3~5日程度です。

ですから潜伏期間の1~3日を含めても感染期間は約1週間から~10日程度となります。

熱も収まり体調が回復してくる症状を発症後3日以降は毒性のウイルスを拡散する心配もほぼありません。

ですから潜伏期間の図③⇒④の体調が回復した日+1日様子を見て復帰するとウイルス拡散の心配もなく自他共に安心して復帰できるでしょう。

但し職場へ復帰する場合などは症状を発症後1週間程度はマスクの着用を行うのがマナーですね。

~ポイントのまとめ~
★感染期間は潜伏期間も含め1週間~10日程度
★体調回復後1日様子を見る
★マスクの使用は最低限のマナー

◆インフルエンザの治療薬タミフル・リレンザとは?

抗インフルエンザ薬として近年最も認識が高く最も期待されている薬剤は

☆タミフル
☆リレンザ

の2種類のお薬でしょう。

この2種類のお薬は共に「ノイラミニダーゼ阻害薬」と呼ばれる薬品です。

インフルエンザウイルスはヘマグルチニン(H)・ノイラミニダーゼ(N)と呼ばれる2つの表面抗原と呼ばれるたんぱく質組織を持っております。

ノイラミニダーゼ阻害薬は、体内で増殖を続けるノイラミニダーゼの働きを抑制します。

また更にインフルエンザウイルスが細胞から放出されるのを防止する効果があり、「感染の拡大の防止」「症状の緩和」をする働きを持っております。

~ポイントのまとめ~
★タミフル・リレンザは抗インフルエンザ薬
★体内で増殖を続けるノイラミニダーゼの働きを抑制
★感染の拡大を防止する

◆イラミニダーゼ阻害薬の効果について

タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬として知られるノイラミニダーゼ阻害薬阻害薬の効果について見ていきましょう。

ノイラミニダーゼ阻害薬阻害薬の効果は、前項でも解説したとおりノイラミニダーゼの増殖を抑制する働きがあります。

ノイラミニダーゼ阻害薬とは?

阻害薬という名前からもこの意味はわかりやすいですね。

このノイラミニダーゼ阻害薬の効果は今のところ確認されている範囲では非常に優秀な効果を発揮しております。

インフルエンザが流行する前の段階の早い段階で投与を受けるほど感染後の症状の発熱日数が圧倒的に短くなる点が確認されております。

タミフルやリレンザにはウイルス感染後の特効薬のようなイメージがある方も多くいます。

しかし実際はウイルスに感染してからではなく、ウイルス感染前、もしくは感染初期段階で服用を開始しておくのがベストなのです。

但し、優秀な効果を発揮するタミフル・リレンザではありますが、副作用症状も多く確認されております。

この副作用に関しては何度も大きな話題となっているので、服用に関しては正しい知識をもって医師の指導どおり服用することが重要です。

~ポイントのまとめ~
★ノイラミニダーゼ阻害薬の効果は優秀
★服用は感染前がベスト
★副作用症状が多様である問題点が解決できていない

◆保育園でインフルエンザが流行している場合について

幼稚園や保育園、小学校に通っているお子様がいる場合。

学校内や園内でインフルエンザが流行しているという情報を耳にした場合は、自分の子供もすでにウイルスに感染している可能性が検討されます。

この場合は、病院で検査を受けるとはっきりしますが、まずはインフルエンザの症状の特徴が見られないかどうかを確認してみましょう。

小学校低学年くらいまでの子供の場合は、インフルエンザの症状を発症する前の段階である潜伏期間の段階から明らかに元気がなくなってくるのが目に取れます。

寒がったり、ふるえたり毛布にくるまったりしているようであれば、それは潜伏期間中の合図です。

体内ではかなりの速度でウイルスが増殖している段階ですでに免疫細胞との戦いも始まっております。

体重がまだ少ない低学年の子供の場合はどうしても体力そのものが弱い為、明らかに元気がなくなってくるのが見て取れるのです。

この段階で注意すべき点はやはり空気の乾燥です。

咳の回数が増えてくるようであれば、気管支系の合併症を引き起こす可能性もありますので、湿度を一定量に保ち暖かい服装で休ませて上げるようにしましょう。

インフルエンザの可能性はあるが良くわからない、もしくはまだ流行しているかどうかわからないようなケースでは地域密着の小児科で診察を受けるのがベストです。

地域密着の小児科やクリニックであれば、最新の流行情報を持っている可能性が高くその年度に流行しているインフルエンザの特徴を把握している可能性もあるためです。

~ポイントのまとめ~
★小学校低学年~園児の場合は明らかに元気がなくなってくる
★潜伏期間かどうかを見極める
★空気の乾燥は気管支系合併症を招くので要注意

◆小児~幼児に多い合併症の危険性

インフルエンザウイルスが本当に怖いのは、インフルエンザから発展する合併症の可能性です。

症状としては風邪と同等の症状を発症しますが、そのウイルス増殖速度はあまりにも速いため、人体に与える影響もやはり甚大です。

合併症の種類も多い

また、ウイルスの過剰なまでの増殖に伴い免疫力が低下し、この免疫が低下した状態で肺炎などの症状を起こし合併症へ進展するケースが多いのも大きな特徴です。

小児~幼児に多い合併症としては以下の合併症があります。

小児~幼児に多いインフルエンザの合併症
☆インフルエンザ脳症
☆肺炎
☆気管支炎
☆中耳炎
☆咽頭炎
☆副鼻腔炎
☆発熱による痙攣症状(熱性痙攣)
☆喘息発作(持病がある場合)
☆血小板減少性紫斑病
☆ALTE