突発性発疹とはどのような病気なのでしょうか?
ここでは突発性発疹について見ていきましょう。
突発性発疹とは、生後3カ月程度~2歳程度の間までの「乳幼児期の赤ちゃん」に多く発症する「ウイルス性皮膚炎」に分類される皮膚疾患です。
中でも突発性発疹が圧倒的に多く発症する時期は「生後半年~生後12ヶ月」の期間です。
多くの場合、赤ちゃんが産まれてはじめて「高熱」を発症するケースは、この突発性発疹であると言われております。
※新生児が高熱(38度~39度以上の熱を主に高熱と呼びます)を初めて発症する多くのケースは突発性発疹が原因
はじめての高熱症状に同様するかもしれませんが、適切な治療処置を行うことでしっかり体調も回復してくる疾患ですから、過度な心配は必要ありません。
突発性発疹を発症した際は、落ち着いてしっかりと対応していくことが何よりも大切です。
突発性発疹の症状の特徴について見ていきましょう。
突発性発疹の症状は、大きく2つの段階を得て現れます。
まず最初の初期症状としてあらわれる症状は
☆発熱(38度~40度近い高熱が出ます)
☆さむけ・悪寒
☆ふるえ症状
などの症状です。
この発熱に関わる初期症状は突然発症し、3~4日間続きます。
稀に40度を超える熱を発症するケースもあるので、お母さんは大きな不安を抱くケースもあるでしょう。
しかし、この初期段階の発熱時の赤ちゃんはわりあい元気な様子に見られるのが、突発性発疹の大きな特徴でもあります。
☆生後半年から12ヶ月程度
☆熱は高熱であるにも関わらず、あかちゃんが比較的元気
この2つの条件にあてはまる場合は突発性発疹の発症をまず検討していくことになります。
3~4日程度たつと熱は徐々に下がり始め、熱が下がるのと入れ替わりのように今度は「小さな淡紅色」の発疹が体幹部の
☆胸やおなか
☆背中
を中心に発症します。
この発疹症状は、通常2~3日、長くても4日程度で自然と消えていきます。
突発性発疹は、細菌などによる感染症ではなく「ウイルス感染症」のひとつです。
突発性発疹の発症原因となるウイルスは「ヒトヘルペスウイルス6型・7型」と呼ばれるヘルペスウイルスです。
突発性発疹の感染経路は現在医学的に解明されておりませんが、
☆経口感染
☆飛沫感染
の可能性が最も高いと推測されております。
特に経口感染の可能性は非常に高く、残念ながら「親が赤ちゃんにするキス」などによる唾液感染の可能性が最も有力視されております。
ヘルペスウイルスは、体力が低下し免疫力が低下している際に発症しやすいウイルスです。
自覚症状として疲労感を感じている場合などは、赤ちゃんへの接触に関し最大の注意が必要です。
また、お仕事から帰ってきたお父さんが、手洗いやうがいをせずに赤ちゃんに接触することも感染原因となっている可能性があります。
突発性発疹を最も発症するのは、生後半年から生後12カ月です。
この期間の乳幼児は、基本的に家族と過ごしているケースが多いことからも、親が感染原因になっている可能性は否定できません。
かわいい赤ちゃんの為にも、「自分自身が感染源となる可能性」をしっかり自覚し、乳幼児と接触するようにしていきましょう。
突発性発疹の原因ウイルスである「ヒトヘルペスウイルス6型・7型」の潜伏期間は、一般的に1週間~2週間程度と言われております。
潜伏期間とは、ウイルスが体内に侵入してからアデノウイルス感染症の症状を発症し始めるまでのウイルスが活動期に入るまでの期間のことです。
突発性発疹を発症する感染経路の多くはここまで前述してきたとおり大人からの感染が大半であり、症状を発症するまでの潜伏期間がやや長い傾向にあることもひとつの特徴です。
乳幼児の場合は保育園や幼稚園で唾液のついた手や指から感染する可能性も考えられます。
その為、登園については症状の発症後、1週間程度は様子を見ながら登園日を検討するようにすると良いでしょう。
突発性発疹の発症後、お風呂に入浴が可能かどうか心配される方も多いと思います。
結論から言えばお風呂の入浴はOKです。
突発性発疹の発症原因となるウイルスである「ヒトヘルペスウイルス6型・7型」と呼ばれるヘルペスウイルスは唾液などによる経口感染をする可能性はありますが、お風呂などによる二次感染は確認されておりません。
ただし、突発性発疹の初期段階の「高熱症状」を発症している期間は、赤ちゃんがわりと元気であっても体力は消耗しているので、お風呂の入浴は極力避けるようにしましょう。
※乳幼児が感染者の場合、もしくは逆に大人が感染者の場合でもお風呂の入浴によって感染する事はありません。但し体力が低下しているため、入浴するタイミングについては注意が必要です。
熱が下がると、赤い発疹があらわれますが、この段階で熱が37度以下になってからを目安に入浴をすると良いでしょう。
突発性発疹の治療法について見ていきましょう。
突発性発疹は、「ヒトヘルペスウイルス」によるウイルス感染症ですが、現在のところ、予防となる抗ウイルス剤はありません。
その為、予防接種なども行われることはありません。
※ヒトヘルペスウイルス6型・7型の抗ウイルス剤はありませんので予防接種によって未然に防止する事はできません
突発性発疹の治療に関しては「対症療法」が基本となります。
※対症療法=症状に合わせて治療を行うこと。
突発性発疹の治療の基本は、何よりもまず安静にすごすこと。
初期段階の高熱発症時は発熱により、寒気やふるえを感じることもあるので暖かい服装を心がけましょう。
熱がもし40度を超えてくる場合は、解熱剤(アセトアミノフェン)の使用を検討するケースもありますが、突発性発疹は熱が出ても赤ちゃんの機嫌はよく薬物療法を行わずにすむケースが大半です。
また、高熱の発症時に稀ではありますが、「熱性けいれん」と呼ばれる痙攣症状を発症することもあります。
痙攣症状は生後半年程度~4歳程度までの乳幼児に比較的多く発症する症状の一つです。
熱性けいれんの痙攣症状は多くのケースで5分以内におさまりますが長時間継続するようであれば、かかりつけの医師にすぐに報告しましょう。
発熱時の震えと熱性けいれんの違いは意識の鮮明さにあります。
こちらからの声かけに反応しないようなケースでは症状の疑いがありますので必ず病院で診察を受けることが重要です。
また発熱時は水分が大量に失われますので
☆お茶
☆イオン飲料
などを少しずつ回数を多めに摂取させるように心がけ脱水症状をおこさないようにしましょう。
突発性発疹の症状がしっかり改善するまでの治療期間は約1週間程度、長くても10日以内に回復します。